日々のつれづれ

大切なこともそうじゃないことも、ゴッチャマゼ

『イルマーレ』(The Lake House)と『説得』(ジェーン・オースティン)

映画「イルマーレ」(The Lake House)は韓国映画をリメイクしたハリウッド版。
サンドラ・ブロックとキアヌ・リーヴスが共演する恋愛映画です。
f:id:ToukoFujinomiya:20171229165121j:plain

私は韓国版は観たことがないので、どう違うのかはわかりません。そして、サンドラ・ブロックとキアヌ・リーヴスが好きなので、その点では全く文句ないです(笑)
f:id:ToukoFujinomiya:20171229170508j:plain f:id:ToukoFujinomiya:20171229170334j:plain
好き、としか言えない。(写真2枚で説明なしか!)

今回はそっちの映画じゃなくて、この映画でサンドラ・ブロック演じるケイトの愛読書としてでている、ジェーン・オースティンの「説得」です。 
f:id:ToukoFujinomiya:20171229170408j:plain
このシーンの後、キアヌ演じるアレックスはケイト(サンドラ・ブロック)が大切にしていたけど置き忘れてしまった本を手にするのです。(ケイトは当時の彼氏とイチャついています。アレックス、ちょっと視線の置き所に困る、の図。)

 

その本がこちら。
f:id:ToukoFujinomiya:20171229170914j:plain
ジェーン・オースティンは、この他に有名どころでいえば「高慢と偏見」の著者でもあります。

 大好きダーシー♪

toukofujinomiya.hatenablog.com

 

【あらすじ】

ケリンチ邸の当主ウォールター・エリオットの次女アンには、貧しいが大志を抱いている海軍士官ウェントワースという恋人がいた。互いに愛し合っていた2人であったが、アンは周囲の説得によりウェントワースと別れてしまう。
8年の歳月が流れ、経済状況に悩んでいたエリオット家は、ケリンチ邸を貸すことにした。だがその借主であるクロフト提督の、妻の弟はウェントワースであった。ウェントワースはいまや出世して経済的にも恵まれている。2人は意識しつつも心が通わないでいたが、ウェントワースはアンに手紙を渡し、愛の告白をする。

説得 (小説) - Wikipedia

この本は(当然)映画化、ドラマ化されているので、そちらも観てみたいのですが、スターチャンネルで放映すればいいのになぁ。(出不精なので探して借りるまではしない) 

 

さて、感想。

ジェーン・オースティンは生涯で長編小説を6冊書いています。この「説得」は最後の作。(ジェーン・オースティン - Wikipedia

私は「高慢と偏見」とこの「説得」を読んだだけなので、全体としての感想は言えませんが、説得の主人公のアン・エリオットはものすごい洞察力のある女性なんだなぁと羨ましくなります。(高慢と偏見のエリザベスも結構理知的に物事を考える人だったけどさ)

 

アンの基本設定が
 ・容姿は良いというわけではない(もちろん不細工じゃないけど、溌剌とした若さはある時期に影をひそめてしまった)
 ・控えめで目立たない(慎み深い)
 ・虚栄心の強い父親と長女(アンは次女)に顧みられることがない
というような、積極的に自分からコトを起こすタイプでは全くないです。

そして、19歳の時に当時恋人だったウェントワースとの婚約を破棄することになってしまったため、自分から同じ相手に何か行動を起こすだなんてあり得ないシチュエーション。(ウェントワースは個人としてはとても魅力的な若者でしたが、身分もなく経済的な地盤もなく引き立ててくれる親戚もいないのが要因で周囲が猛反対)

そのため、偶然の計らいでウェントワース(今は大佐に出世して、経済力は十分)に再会することになり、心は千々に乱れるわけですが。(そりゃ乱れるだろうよ)

それに、親戚の娘さん(姪っ子)2人がウェントワース大佐に首ったけなのを目の前で見せつけられればねぇ(^^;)

でも何も言えないし出来ないし悟られてもいけない。心はまだあの頃のままなのに。

最初は様々な解釈で自分の心を落ち着かせようと努力します
・あの人はまだ私を許すことはできないだろう
・もう8年も経っているから

それでも一緒にいるうちに、様々なウェントワース大佐の一挙手一投足に様々な意味を見出していくアン。もちろん、具体的に彼と話す機会は全くありません。

うっかりすると妄想癖?と思えるくらいですが、それがまたそうでもないんですよ。ちゃんと心理的な裏付けをアンなりに解釈しているので、独り善がりではありません。鋭いのよ。

そして、様々な出来事が重なり、「もしかして?」「もしかして?」となってからの畳み込むような急展開がわーーーーーーーー!ってなります。

 

ぜひ読んで(笑)

 

ラスト近辺の、アンがおじさまと失われた愛について語るところから、近くで手紙を書きながら絶対にそれを聞いているに違いないウェントワース。そしてウェントワースが目くばせでアンに手紙を託すところとか。

もうね、悶絶です。(ハーレクインか)(当然それ以上ですよ)

 

よく考えると、本当に狭いところ(メインは3家庭くらい?)でほんの数ヶ月の間に起こってるんですよね。
平凡な日々の小さな出来事の連続。その中の慎ましやかな愛情。
それなのに、続きが気になってしょうがなくなります。すごい。

説得はイルマーレ(The Lake House)のあらすじとは全く関係ないです。

あれはあれですごい好き。