私は虫が全体的に苦手ですが、知識としての昆虫を始めとする生物の生態については読むのは好きです。(虫の写真はちょっと苦手だけど)
ということで興味をひかれたのはこちら。
雄殺しの細菌っていうネーミングがすごくない?
リンクをクリックするのが面倒な人(私を含む)のために省略しつつ簡単風に説明しますね。
カオマダラクサカゲロウという昆虫は、そのほとんどに「雄殺し」の細菌が感染していて、そのため、雄は孵化してもすぐに死んでしまいます。
つまり、雌しか生き残れないようなサバイバル細菌に感染しているわけです。
この細菌は雌から子に伝染していくので、細菌サイドで勢力を広げるためには雄は不要、むしろ雄カゲロウはできるだけ少ないほうが、雌のえさも増えて有利、というわけ。
琉球大学の林正幸(はやし まさゆき)日本学術振興会特別研究員らの研究グループは、ある特定の場所でオマダラクサカゲロウを採集したところ、集団の中で雄はわずかに11%で、圧倒的に雌が多かったそうです。
検討の結果、この集団での雌雄のアンバランスは、「雄殺し」細菌のせいだとわかりました。(比較するためにはこの確認は必要ね)
それから5年後に、また同じ場所でカオマダラクサカゲロウを採集すると、全体の38%が雄となり、その割合はこの5年のうちに大幅に増えていた。なにせ、以前は11%しかいなかったからね。
検討の結果、現時点でも雄殺しの細菌は当時と同じようなDNA的な殺傷能力を持っていましたが、クサカゲロウの側が、細菌に対する抵抗力を集団として遺伝的に身につけたというものでした。
たった5年で身につけた集団的DNA武装!
確かに、最初の頃から11%の雄は生まれていたわけで、その雄たちは細菌の攻撃を撃破するDNAを獲得していたわけですよね。
生物多様性の凄さよ・・・