日々のつれづれ

大切なこともそうじゃないことも、ゴッチャマゼ

『メッセージ』(Arrival)

観る前は、ちょこっとだけ『コンタクト』(Contact)(ジョディ・フォスター主演)と被ってるのかな?と思ったりしました。

コンタクトは大好きな映画だから、それと被るんならちょっと観たくないな・・・というのがバイアスになり、観るのが遅れたかもしません。

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でもこちらはこちらで違う切り口で面白い。というか、もっと早く観ればよかった。

突然現れる地球外からの飛行物体。
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これ、ばかうけ(お菓子)に似ていると話題になったのは覚えてる。(その話題作りが「くだらないな」と思って、さらにこの映画から遠ざかったんだけどさ)

世界各地に地球外からの飛行物体が現れ、各国で対応が急がれる中、アメリカでは言語学者のルイーズ・バンクス、物理学者のイアン・ドネリーなどが調査を始める。 

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女性がルイーズ、手前の男性がイアン。

言語学者と物理学者が選ばれるのは、妥当だなー。と思ったけど、この物語での物理学者の影の薄さよ(^^;)
ま、映画のコンセプト的にそうなるだろうけど。

 

アメリカの戦略として、地球外生命体("ヘプタポッド"と命名)と言語分野からのアプローチをとることになりました。

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での、「HUMAN」の認識から。
意思疎通まで、結構遠いな!!(急がば回れ、的な?)

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2体の地球外生命体の飛来の目的を探るため、ルイーズは当初着こんでいた防護服を脱ぎ捨て、顔を露わにして(個人を認識してもらうため)ヘプタポッド達と意思の疎通を図る。試行錯誤の末、墨を吹き付けたようにして描かれるヘプタポッドの文字言語の解読がはじまる。
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ヘプタポッドの文字は円形で美しい。一文字で文のすべてを表し、しかも時系列が存在せず、過去も現在も未来もすべて同列に表される。

 

言語って、私は個別に勉強をしたことはありませんので憶測になりますが、言語がそれを使用する民族の基本を作っていると言っても過言ではないような気がします。
時系列の重要度、主語の重要度(省略の度合い)、主語と述語と修飾語の並び順などは、民族間での物事を伝える際の重要度に比例するんじゃないかと。

例えば、主語を省略しても差し支えなく、時系列を含めた序列を重視する(日本語を含めた言語を使用する)民族と、主語をより重視する民族と、やっぱりちょっと考え方とか違う気がする。一概に言えないけど。

そして、他の言語を学ぶとき、その言語に沿った民族(の思考などの独自性)に近づく、というのはあると思う。(ない?)


並行して、ルイーズは病で死ぬ娘とその母としての自分が登場する光景のフラッシュバックに悩まされる。過去の記憶のように感じられるが、彼女は娘を持ったことがない。

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身に覚えのないフラッシュバックに悩まされながら、言語の解読は続く。
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結論を急ぐ政府の要請にルイーズはヘプタポッドの目的を彼らの文字で尋ねると、 『人類に「武器」を与えるために地球に来た』と解釈の出来る返答があった。

これを脅威と見なした中国軍は通信回線を閉じ、ヘプタポッドとの戦争の準備を始めてしまう。他国もこれに倣い、次々に回線を閉じ、戦争へと傾き始めた。

「武器」から派生する意味は「道具」でもあり(一文字に複数の意味を付加するのはどの言語でもある)ヘプタポッドの真意はどこにあるかとルイーズとイアンは、再度対面に向かう。

 

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ルイーズはヘプタポッドの言語を学ぶにつれ、ヘプタポッドが操る時制のない言語のように、時間の制約にとらわれない思考、つまり過去と同じように未来を認識することができるようになっていた。

開戦が迫る危機的状況の中、ルイーズは中国軍のシャン上将に電話して説得を試みる。将軍以外は誰も知らないはずの妻の死ぬ間際のメッセージを伝えられたシャン上将はルズの説得に応じ、戦争は食い止められ、再び世界の研究者との通信回線がつながった。

世界が一つなったことを察したヘプタポッドの宇宙船は煙のように次々と空に消えていった。

ヘプタポッドが去った後、ルイーズはパーティー会場でシャン上将と初対面し、その時に、過去の彼の説得に必要な携帯電話の番号と妻のメッセージを得るのであった。

 

撤退する宿営地の脇でイアンがルイーズに結婚を申し込む。

ルイーズはその後イアンとの破局や、生まれる娘が早逝する運命を避けられないと知りながらルイーズはプロポーズを受け入れる。 

ルイーズは、結婚生活の後のイアンとの別れ、若くして死んでしまう愛娘の悲しみも含めて、結婚生活でもたらされる幸せ、そして死すまで娘と一緒に過ごせる幸せを選んだ。もたらされる未来図がわかっていてもなお。

 

私、ラストが一番好きです。

ビックリな今更なタコ宇宙人(タコ型!?と思った)とか、作り込まれた丸い輪っかの言語とか、宇宙船のシステム(重力の在り方)とかも好きだけど、それ以上にラストが好き。

これは、ありがちなSFの枠は超えてますね。好き。

 

 

観終わってまた感じるのは、また変な邦題・・・なんで「メッセージ」なんだ・・・。いっそのこと、カタカナのアライヴァルでも、良くない?

ま、気を取り直して。なにしろ、いい映画でしたから。

 


両方ともDVDなので、ブルーレイをお探しの方は、別に検索してみてくださいね。
もしかすると、もっとお安いところもあるかもれないし。