日々のつれづれ

大切なこともそうじゃないことも、ゴッチャマゼ

すてきな地球の果て

すてきな 地球の果て(田邊 優貴子著)を読みました。

これは、下の子が学校で田邊さんの講演を聞いて、興味を持ったので読んでみたいということで、購入しました。

田邊優貴子(たなべゆきこ)

1978年、青森市生まれ。植物生理生態学者。早稲田大学高等研究所・助教。小学生の頃、テレビで偶然目にした極北の地に憧れを抱く。大学4年の時、真冬のアラスカ・ブルックス山脈麓のエスキモーの村で過ごし、その思いは揺るがぬものとなる。バックパッカーとして世界を旅したが、人間が暮らしているのと同じ地球上とは思えない圧倒的な自然と、そこに暮らす生き物の姿に魅せられ、極地をフィールドにした研究者となる。南極や北極をたびたび訪れ、その生態系を研究しながら、地球やそこに息づく生命の不思議さ・素晴らしさを伝えるべく講演や執筆活動を行っている。

※「すてきな地球の果て」(2013.8月第1刷)プロフィールより引用

個人的にフィールドワークを基にした書籍は好きなので、下の子の話を聞いて私も興味を持ちました。ということで、母出資で購入しました。

 

これは、田邊優貴子さんが大自然に焦がれる気持ち、極地を訪れるきっかけ、数度訪れた極地でのエピソードをエッセイ、そして写真でまとめたものです。

文章だけでは、「極地(北極・南極)」ってイメージしづらいものがあると思います。だって、個人の想像力の範囲って自分のテリトリー内(か、若干の外)でしかありませんから。
そこに写真(これも素晴らしい)が加わると、読み手には俄然リアルに感じます。

 

私が印象深かったのは、2000年前のアザラシのミイラを見たくだり。

 静寂の中、亡骸を取り囲むように、コケや地衣類など、小さな生命が力強く息づいていた。

 アザラシは栄養となって、いつの日か自分の姿がすっかり消えるまで、この小さな生命を大きく育て上げるのかもしれない。

(中略)

 ゆっくりとゆっくりと、生命は廻っている。

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極地では低温と乾燥の為、死体が分解されづらい(分解する微生物の活動があまり活発ではない)っていうのは、聞けば(読めば)頭ではわかるんですけど、実際にそのシーンを見たことはないので、ただの知識にすぎません。

この写真では本当に死体(ミイラ)の周りだけ緑色なんですよね。少しずつ分解されて、少しずつ他の生命の糧となっているのか・・・っていうのが、現実のこととして、感じられます。

 

初めて知りました。キョクアジサシ。かわいい。

キョクアジサシは最も長距離の渡りをする鳥で、1年のうちに北極圏と南極圏の間を往き来するんですって。
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北極と南極の往復って・・・。地球規模の渡り鳥・・・。ダイナミック過ぎるわ。

 

とても素敵なお話で、本当に羨ましくなりました。
下の子はまだ読み終わっていませんが、きっと彼女が読み終わった時には、何か感じるものがあるのではないかと期待しています。