日々のつれづれ

大切なこともそうじゃないことも、ゴッチャマゼ

「がん免疫療法とは何か」「森瑤子の帽子」

先日、書籍を購入しました。1冊は先日の日記にも載せていた、本庶佑さんの「がん免疫療法とは何か」。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

がん免疫療法とは何か [ 本庶 佑 ]
価格:820円(税込、送料無料) (2019/5/19時点)

もう一冊は島﨑今日子さんの「森瑤子の帽子」です。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

森瑤子の帽子 [ 島崎今日子 ]
価格:1836円(税込、送料無料) (2019/5/19時点)

「森瑤子の帽子」はAmazonでは検索でお高いものが上位だったので、楽天BOOKSのみをリンクしています。

もうね、森瑤子さんは大好きで、本当にもう大好きで。
さすがに著作の全部は持ってませんけど、好きなものはちゃんと買ってます。

しかも今気づいたけど、本庶佑さんの本、消費税の端数処理で1円Amazonの方が高いのね。でも普通、小数点以下は切り捨てじゃない?何なの?Amazon。(と、ブツブツ言う)

 

先週の日曜日のことですが、この2冊を読むことにしました。目標を定めないとなかなか本が読めないのよね(^^;)

最初に「がん免疫療法とは何か」を読み始めます。面白い。
しかも、久しぶりに頭を使って読んだからか、お腹が空いてきました(笑)

での、チョコチップカップケーキを作りました。
f:id:ToukoFujinomiya:20190519180803j:image
久しぶりだなぁ
下の子のリクエストが「大き目のチョコチップ」とのことでしたので、板チョコを手で割って入れました。
f:id:ToukoFujinomiya:20190519180807j:image
ちなみに、型は100均で買ったSSサイズです。

 

小腹を満たしてから、また読みます。楽しい。

第1章 免疫の不思議
 私は高校の頃から生物が大好きで(化学も物理(は習ってないけど)も好きだけど)、その中でも好きなものの一つに免疫機構があります。その仕組みたるや、ホント神秘。どうやってあの絶妙なバランスが組み立てられているのか、不思議でしょうがない。
 この章では、生命体がその免疫機構を獲得していった過程について話しています。 

第2章 PD-1抗体でがんは治る
 著者がノーベル生理学医学賞を受賞したPD-1抗体というものについて、その発見に至る経緯、今後の課題、基礎研究の重要性(ココ大切)について話しています。

第3章 いのちとは何か
 個人的には第2章と同じくらいこの第3章が興味深かったです。それに、この第3章が一番項が多いし。思い入れがあるのかもしれない、とも思いました。
 ここまで読んでいてナンですけど、この本は受賞した研究についての一般向けの解説というより、著者個人の科学全体に対する想いを書いているのだな、と感じました。
 個人的には、大筋、同意です。 

第4章 社会の中の生命医科学研究
 第3章の「いのちとは何か」で様々な個人的な見解(率直)を述べるのに続き、もう少し踏み込んで自身の研究対象である生命医科学の社会での位置づけについて述べています。特に科学ジャーナリストの人材の枯渇については同意です。紙媒体・テレビ等の陳腐な情報の垂れ流しには飽き飽きします。

第5章 日本の医療の未来を考える
 世界にも稀な日本の医療保険について、またその課題と第3章のいのちについての考察に関連しますが、生死観・終末期医療について等の考察です。

巻末にノーベル生理学医学賞受賞晩餐会スピーチも収録されています。

 

一通り読み終えましたが、講演会(6/1)に行く前にもう1回か2回くらいはちゃんと読もうかな、と思います。(1回だけだとアヤフヤなところとかあるしね)

この本を読むにあたり、専門用語等の免疫機構に関する基礎知識がないと意味不明のチンプンカンプンになるかもしれないな、と思います。とはいえ、研究対象の解説はそんなに多くないので、実際に詳しく知りたい方にとっては足りないかもしれませんが・・・。(そういう人は論文の方を読むのか。だよね。)
研究分野の専門的な解説に特化した本であるとは言えないかもしれませんが、著者が専門以外の様々な分野に対して率直な意見を述べているので、著者がどんな人物であるのか興味がある方にとっては最適な本になると思います。

 

さて、次は「森瑤子の帽子」です。

著者である島﨑今日子さんによる「五木寛之、大竹映子、北方謙三、近藤正臣、山田詠美ほか数多の証言から成功を手にした女の煌めきと孤独、そして森瑤子が駆け抜けた日本のバブル時代を照射する渾身のノンフィクション」。(帯より)

とあります。

確かに、これだけの証言を集めるにはかなり時間も根気も必要だと思います。それに、特にご家族(夫、3人の娘たち)からの率直な話など、誠意をもって対応しないと得られない証言だと思います。

 

そのうえで思うのは、これらそれぞれの方々のおびただしい証言の全く重ならない所に、本当の、森瑤子・伊藤雅代・ミセスブラッキン・三人の娘の母親でもない彼女自身がいたのではないのか、ということ。

ある特定の個人が、一般人を惹きつけて止まないのは、きっとその人の中に埋めることのできない虚無があるから。その虚無が、ブラックホールがなんでも吸い込んでしまうように、光さえも逃さないように、どうしても人を惹きつけてしまうんじゃないでしょうか。

彼女の中にはそれがあったように思います。
森瑤子は確かに、華やかで、ゴージャスで、刹那的で、都会的で、センスに溢れていて、浪費家で、気配りがあって、それでいて寂しさが滲むようで。 

様々な人にに対して、彼女なりのその人に対する「顔」があったのかもしれません。家族に対してすら、そうなのかも。

自分の本当の素、はどこまで、どこからなのか、自分でわかっている人はどのくらいいるんだろう?

そんなことを考えました。