日々のつれづれ

大切なこともそうじゃないことも、ゴッチャマゼ

春の美術館巡り①

先日5/17(木)から5/19(土)にかけて、東京に美術館巡りに行ってきました。

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プラド美術館展(国立西洋美術館)、プーシキン美術館展(東京都美術館)、ルドンー秘密の花園ー展(三菱一号館美術館)

 

2泊3日のちょっとした旅行みたいに書いていますが、実際には木曜の夜出発(夜行バス)、金曜日到着、金曜日の夜出発(夜行バス)、土曜日の朝帰宅、というかなりハードなものです。

ここ数年の傾向だと、春と秋に2回行くか、年1回行くか、ですね。
あまり自身の趣味にお金をかけてしまうと子供たちの教育資金が貯まりませんので、ホント、ギリギリに抑えています(と思ってる)
金額を体力でカバーできるなら、それにこしたことはないですからね。

とはいえ、去年までは4列シート(超安)の移動でしたが、去年は特に体力に自信が無くなったので、今回は3列シートです。

それでも、好きだから行くのですよね・・・

 

さて。バス会社を変えた都合で発着場所が違います。
去年までなら上野駅近くに到着なので近くの銭湯でサッパリするところですが、今回は東京駅八重洲近辺到着なので、事前にシャワーも使えるネットカフェ(カスタマカフェ八重洲店)を見つけていました。

が、行ってみると満室とのこと。(でも、受付の兄ちゃんの対応が怪しい、気がしたよ)(面倒だから満室だって言っただけじゃないか・・・隣のカウンターで対応してもらってる人は普通に受けてもらってるし・・・)

とりあえず、断られるのは想定の範囲内なので、近場のトイレで身支度を整えました。(化粧とか)

不必要な荷物をコインロッカーに預け、一番最初に予定していた国立西洋美術館(プラド美術館展)に行くために上野に向かいます。

が、東京駅は迷う・・・(田舎者ですから)

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途中で見かけたパン屋さんでパンを購入。
コーヒーとパンがあれば、朝ご飯は何とかなりそうじゃない?(いつもは朝ご飯は食べませんが、旅行では簡単でも食べたくなります)

さて。山手線で上野まで。
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平日なので、いわゆる「通勤ラッシュ」というものに巻き込まれるのかとか思ったら、時間帯がずれていたのか、そんなでもなくて安心でした。実際に乗ったのは7時ちょっと過ぎなので、早かったのが良かったのかも。
田舎者は慣れないことに巻き込まれると辛いからね。

 

上野公園の中で朝食。
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普通の(シリアルが混ざっている)食パン。(私は総菜パンや菓子パンより普通の食事用のパンが好き)

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野口英世の像の近辺で適当に座ってパンを頬張ります。
野口英世の像をわざわざ見に来る人もいないだろうと思ったのですが、中学生の集団かしら、いるのね。修学旅行?

個人的には邪魔でしょうがなかったです。だって、こっちが座って食べたり本を読んだりしてるのに、集団で私をザワザワと取り囲むように移動するんだもの。嫌だわ。

 

気を取り直して鳩と雀に残ったパンを放る。
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目の前でサバイバル的なバトルが繰り広げられます。

ここで開館の時間まで本を読んで過ごしました。

日差しも木陰ではまぶしくないし、気温もちょうどよく、風もなく、本当に外で過ごすには最適でした。

 

さて。

国立西洋美術館の「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」です。

artexhibition.jp

様々な方々が詳しく解説をしたり熱く語ったりしていますので、私は自分が「ん?」と思った部分だけをピックアップ。時系列も何もあったもんじゃないですけど。

 

衝撃じゃないですか?マリア様が聖人に乳をビュッと出してるとこ。
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ウケるー。一体なんのプレイでしょうか。 

いえ、これは奇跡の場面で、『右の白い信者が熱心にマリア様に「あなたは母たることをお示しください」祈り、その祈りに呼応して彫刻だったマリア様に生が宿り、3滴の乳を信者の唇に滴らせた』というもの。

3滴の乳を滴らせるのに、ビュッと乳房から直か!?
と、いう感想しかない。(畏敬の念は皆無ですよ)(ゴメン)

 

マルス、という題の絵
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通常の軍神マルスであれば、壮年か若者で筋骨隆々としていて、いかにも「軍神」という感じなのですが、これはどう見ても「おじい様」。

「疲れちゃった。もういいだけ働いたから、休んでもいい?」という定年間際か定年後も再任用とか再雇用とかで働いているおじさまにしか見えない。
しかも裸で兜だけ被っててかわいい。(おじさまにしてはいい体してるのは、一応「軍神」をずっとやってたからか)

 

図録などの解説では、解釈としていいことを言ってますが、この絵を見ながらそれを読んでも全く説得力無し。あれはただの疲れたおじさまです。
マルスほどの人(神様だけど)でも、あんなに疲れた感じになるんだ!?という意味で、好き。

 

鎖につながれたティテュオス
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詳しい説明は省きますが、ホメロスの叙事詩、オデュッセイアにあるモチーフの一つです。
このお方、他の絵画でもそうですが、邪淫の罰としてハゲタカに自分の肝臓を食べられてしまいます。(詳しくは検索してみてね)

ここで気になるのは股間の布。なんでそんなに目立った色の布をちょうどいい場所にあててるのよー(^^;)

おかしいでしょ?ハゲタカに肝臓を食われそうて身をよじってるのに、股間だけは都合よく隠すだなんて。
当時も様々な規制があったとは思うけど、ここは潔く全部さらすのが自然だと思うよ。

 

アランフエスでの狩猟上覧
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スペインの南部にあるアランフエスでは、毎年5月に大規模な狩猟が行われるのだそうです。
規模が凄くない?

猟場(右奥)から追い込まれた鹿等の獲物が布の囲いの奥に追い込まれて、猟犬に捕まって倒されているところを王侯貴族のお嬢さん方が見て喜んでいます。

っていうか、それ見てて面白い!?犬も鹿も、血まみれじゃん?(率直な感想)

暇で金があると、こういう風になるのよね。

暇で金があって権力があると、それに阿る人々はどんなことでもするのよね。
先日、たまたま国王を歓待するために命を懸けて接待して、結局自殺した料理人の映画(フランス映画だった気がする)を観たんだけど、それを思い出しました。

くだらないな、の一言です。(この感想は絵の良し悪しについてじゃないし、好き嫌いについてでもない)

 

めっちゃかわゆらしくチョーンと中央に居るのは、超有名人、幼子イエスです。(東方三博士の礼拝)

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なにこの、チョコンと具合。かわいい。
でも顔のアップはそんなにかわいくない。本人は唇をかみしめて人見知りっぽいけど(笑)

 

グッときた聖家族シリーズです。
小鳥のいる聖家族
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メインはイエスとヨセフ父さん。

父さん!?

ヨセフ父さんがこんなに若く書かれているのはあまり見たことがありません。(私の絵画鑑賞歴もたいしたことがないし忘れがちだだから、過去経験と比べても意味はないかもしれないけど)
どうしましょう、このヨセフ父さんの包容力にあふれる素敵な父っぷりにクラクラです。(しかもイイ男)

しかし、イエスが右手でギューギューに握りしめているのは小鳥。
・・・それはちょっと・・・なくない?

 

聖アンナのいる聖家族
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めっちゃ子供をかわいがってる感が溢れてませんか?

マリア母さんのイエスへの愛が、ウルウルの瞳にあふれてます。
マリア母さんの後ろのおじさまは旦那様のヨセフさんです。珍しくちょっと若い感じ。(これでも若いと思うよ?)

 

ローマ皇帝のために生贄を捧げる神官
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これは特に「これが」、という部分があるモチーフではありません。(図録にはちゃんと説明と解説があるけど)

私の気になる部分は右端に位置する裸体の人物。
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この尻は・・・男尻?でも腰回りは女性のように広くて・・・?でも髪は短いから男性か・・・?

それだけの部分でちょっと悶々としました。

 

ジェノヴァ救援
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中央左寄りの白髪のおじい様(ジェノヴァ元首)が向かいのサンタ・ルクス侯爵に謝意を表しています。
この絵の凄いなと思ったところは、繊細な筆遣いです。
残念ながら、この写真をクリックしても見えないと思います。直接見た方がいいよ。

それぞれの襟元や袖口のレースの繊細さ、帽子の羽飾りのフワッフワ加減、布地に光が当たり、柄がいちいち浮き上がってる奇跡!しかも、男性のタイツに同色の柄が入ってて、ビックリです。右端の男の子が小脇に抱えている何か(何?フワフワなんだけど?)のモフモフっぷりも堪能してほしい。

 

バリェーカスの少年
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王侯貴族が矮人を手元に置く風習は古代東洋に始まり、その後ペルシア、エジプトを経てギリシア、ローマ帝国に広まったそうです。

この子の医学的な見解は図録の解説にもありますのでそちらに譲りますが、絵としてはとても自然な感じで描かれています。同時代の人物画は決めポーズが当たり前なのに。

右足を前に伸ばして、後ろに持たれて、口も半開きな様子は、本当に自然。
この子を絵に残したいと思った人は、きっとこの子はこの子のままで十分だという思いがあったのかなぁ

 

甲冑姿のカルロス2世
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最初、女の人だと思ったんですよ。
少し赤毛の髪は長いまま後ろに流しているし、唇は紅を刺しているように赤いし、首元には赤いサッシュも巻いているし。

あまり顔の造作が良くない女性でそれなりの身分しかないから、男性に身をやつして生きているのかしら、と。(そんなにカッコ良くないオスカルな感じ)

そしたら、フェリペ4世の息子さんですって。個人的には世界史を勉強していないので、個人的な力量はよくわかりませんけど。

 

ああ、フェリペ4世、の息子さんね。
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そりゃ、そういう顔になるわな。(納得)

大丈夫。いい政治をすれば顔は関係ないのよ。(いい政治をしたかどうかは知りませんど)

 

 楽しんだプラド美術館展は図録(重い)を購入しておしまい。次はちょっと休憩してからどこに行くか決めようっと。

 

 

 

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