日々のつれづれ

大切なこともそうじゃないことも、ゴッチャマゼ

世界一キライなあなたに(Me Before You)

 世界一キライなあなたに(Me Before You)
f:id:ToukoFujinomiya:20190102152738j:plain

主人公のルーは、イギリスの田舎町に暮らす26歳の女性。働き手のいない家族を抱えながらカフェでウェイトレスをしていた。ところがある日、カフェのオーナーが店を閉じることになり失業する。
それでもなんとか見つけた介護の仕事は、あらかじめ6か月と契約期間が定められていた。
ルーが介護を担当することになったのは、元実業家で大富豪のウィルという青年であった。ウィルは2年前にオートバイにはねられてから車椅子生活を余儀なくされる。事故により重度の脊髄損傷を負って四肢麻痺になっていた。生きる希望をなくしたウィルは周囲に心を閉ざすようになる。介護をすることになったルーに対しても、はじめは冷淡な態度をとっていたウィルであったが、ルーの懸命な努力に少しずつ打ち解けていき、やがて二人は恋に落ちる。(後略)
Wikipediaより

このカテゴリが、もし「恋愛映画」であるのなら、ちょっとお勧めするのはアレですよ。(薄い)
そもそも、障害を持っている側が「富豪」という点で、全く共感できない。

▼この映画でもそうだったし。
 
通常、一般的に金銭の有無を問わず障害を持つことはあり得るわけで、そういう点では、主人公が富豪っていう点で共感は不可能ですしねぇ・・・

障害を持った主人公をサポートする献身的なお手伝いさんがカラフル、という点では、可愛いから許す。
f:id:ToukoFujinomiya:20190102152819j:plain
彼女の設定が労働者階級っていう割に、かなりカラフルな衣装(金がかかりそう)だったけど。まぁ、映画だしなぁ。そもそも、カラフルな子は可愛いしなぁ。

ちなみに、こちらの物語の主人公が亡き旦那サマと出会った際もカラフルで可愛かったよな。この映画は断然好き。

しかし。今回の映画のラストは、賛否があると思う。それは納得。
映画の中で、お手伝いをする彼女のサポート内容が精神的なことに限られていたことについては・・・「それだから恋に落ちれたんじゃない?」とも思える。

f:id:ToukoFujinomiya:20190102175754j:plain
彼女にはシモ的なお世話も、肉体労働的な介護もなく、この髭剃りシーンが最大の看護系と介護系と被るところかかもしれません。
f:id:ToukoFujinomiya:20190102152707j:plain
彼女がしていたのは主に「カップ オブ ティ」と「日常のお話相手」だけ。

私、そういう現場に立ち入ったことはありませんが、主人公のような障害を持った人を本気でサポートするなら、絶対凄い大変だと思う。

あ、だから相手が富豪設定なの?大変なことは別の(画面には出ていないけど)介助人がしてるから関係ないの?

確かに、そういう点では、メンタルケアとフィジカルケアは分業してもらった方が当事者としては気が楽なのかもしれない。うーん。私が主人公と同じ立場になったなら、そう思うかもしれない・・・。
うーん。難しい・・・。

ウチの母は、実際に身体的に不自由になった際に「あんたたち(子供達)には絶対に世話になりたくない。お世話になるならプロがいい」とは言ってます。
私はも、もしそうなるなら、娘(下の子)とか、息子(上の子)とか、その相方さんに実際に世話になるより、介護士の方がいい、気がする。
うーむ。そういうことなのかなぁ・・・。

そういう、「実際にどうなのよ」的な問題を寄せておくと、彼と彼女の関係はとてもシンプルになります。
f:id:ToukoFujinomiya:20190102152645j:plain
金はあるけどその他に彼女に何も残せない彼氏。一緒にいたとしても彼を世話するしかない彼女。
彼女に人生を有意義に羽ばたいてほしい彼氏。家庭の事情(金銭面)で働くしかない彼女。

彼のメンタル(と顔面)が、一般的な素敵男子以上のスペックがあるだけに、彼は自分が描く理想どおりに何もかもが進まないのは苦痛でしょう。

個人的には、彼には資産は充分にあるんだから同じ立場の人のための活動をしてもらえれば、次に繋がる何かしらはあるんじゃないかと思うけどさ。それは外野(>私)の思うことだからね。

f:id:ToukoFujinomiya:20190102175800j:plain
そんな風に、彼女の主人公へのメンタル的な傾倒が激しくなると、当然彼女の今彼は面白無くなるわけですよ。うん。それはわかる。

しかし、映画の中で、今彼は彼女が主人公にどう思いを懸けているかより、一般的に「(他から見て)それはどうなの」っていう傍目の見栄えを気にしていたように思う。そして二人はそのことについて、じっくり話し合ったようには見えないのです

まぁ、一般的なカップルが同じ事態に直面して、真摯に向き合って、話し合っているかはまた別の話。結構あっさり「相手は自分のことを考えてくれない!」なんて思って別れちゃったりするのが普通だよね・・・。

主人公の彼がいくら自分に絶望しようとも、彼女が主人公の彼と出会うのは、障害を負うようになってからなわけで、すべてひっくるめての彼に惹かれているわけです。(映画の中での介助の様子が全く端折られているので、アレですけど)
彼がいくら「元の自分と現在の自分」を比べて落ち込んで絶望して、結果的に自死を選んだとしても、彼女についていえば「そんなの全く関係ない」わけで。

 

結局、彼は当初の思いを貫きました。それは彼の決断。

彼女が手にしたのは(彼の想いと)今後の人生を自由にできるお金。(お金がないと自由はありませんから、その点には特に異議はありません。私も欲しいですよ。)
f:id:ToukoFujinomiya:20190102152714j:plain
この結果に納得するか、理解するか、わだかまりを持つか、モヤモヤするか。
それは人それぞれ。

この結末に私は全く納得できないし、主人公は甘ったれでしかないと思いますし、すべての努力する人々への冒涜でしかないと思っていますので、ルーはせっかく貰った現金を駆使して大いに満足できる人生を送ってほしいと思います。

 

この映画の評価の中で、「原作を読んでから映画を観ましたが、これはナイ」「映画化ではどうしてこんな?」みたいなレビューが何点かありました。

で、買ってみました。(原書)
f:id:ToukoFujinomiya:20190105135627j:image
読み終わったときには、映画の中で表現されたもの以外の本当のことがわかるといいな、と思います。
個人的な語学力的に、いつ読み終わるかはわかりませんけどね・・・