日々のつれづれ

大切なこともそうじゃないことも、ゴッチャマゼ

初冬の美術館巡り(ハンガリーとハプスブルク家と吉野石膏コレクションとミイラとサラ・ベルナール)④

初冬の美術館巡り3日目。

今までの道程は以下を参照。toukofujinomiya.hatenablog.com

toukofujinomiya.hatenablog.com

toukofujinomiya.hatenablog.com

 

本日はとうとう最終日。行くのは1ヶ所だけ。

渋谷区にある「松濤美術館」(しょうとう-)の特別展です。
最初、「松濤」が読めなかったです・・・ 

美術館の開館時間は10時なので、それまでどこか他に見るところがないかな、と思ったら、近くに明治神宮があったので、最初にお参りをすることにしました。

代々木駅。
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Googlemapさんのご指示のもと、明治神宮まで歩きます。
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とても澄んだ場所です。

個人的に明治神宮に神様がいるかいないのかは知りませんけど、少なくともこの場所は、ここを大切に思う人たちの気持ちが集まっているからこんなにも澄んだ場所なんじゃないかな、と思います。
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鳥たちの声もとても素敵。
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巫女さん発見。なんか、すごい。
(バイト?正職?っていうがちょっと気になる ※自宅の近所の神社の巫女さんはすべてバイトさんです)

お参りが終わると、ちょうど時間だったので、御朱印をいただきました。
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御朱印帳、ちょっと嵩張るけど持ち歩いててよかった。
皇紀2679年!皇紀・・・神武天皇の暦って、そうそう使っているのを見る機会がないですよね。なんか、そういう意味では貴重かも。
でも、個人的に、日本書紀や古事記などのお話は、日本(大和)の歴史の権威付けのための手法だと思っているので(もちろん、その手法は自国の支配や対外的な主張のために必要だと思う)まったく重きを置いていないけど、なんか「楽しそうな設定」だよね。

木の幹に葉っぱが生えてる。
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こういう、木に葉っぱが生えているのを見ると、「蟲師」の「かや」を思い出します。
【参考画像】「蟲師」「鈴の雫」の「カヤ」
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こういう風に木々の多い場所を歩いていると、本当に気持ちがいいですね。(※青森市は田舎なのに(田舎だからか)、市街地に緑溢れる公園等はありません。残念。公園の木々もしょぼい。街路樹もかわいそうなくらい刈られてる。)

お。日本酒の樽があります。
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これくらいしか、地元のお酒ってわからなかった・・・

一部紅葉しているところがあったので、パチリ。
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実際、東京って青森に比べると1ヶ月以上季節が遡ってますね。なんか羨まし。

ちょうどいい時間になりましたので、松濤美術館に行きたいと思います。時間的にいい感じ。 

 

さて。
私はアルフォンス・ミュシャが好きで、彼が世に出たきっかけとなったポスターの舞台の主人公であるサラ・ベルナール、として最初に彼女を知りました。
その後、「サラ・ベルナール 運命を誘惑するひとみ」(フラランソワーズ・サガン著)(1989年初版!)を読み、確定的に好きになりました。(サガンも好きだし。好きと好きの相乗効果です)

今回の旅行をする際に、何かいい美術展はないかな・・・と探していて、「サラ・ベルナール」の単語で吸い寄せらたわけです。

www.sunm.co.jp

地元に美術館と名が付く施設はあまりないので、美術館と地元民の距離感が良くわからなかったのですが、今回、ビックリしました。

開館時間前に人が並んでる。そのくらいこの企画を楽しみにしている人が若干名でもいる。(私も含め)というのが衝撃でした。

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水産会社でタラコや筋子などの格安販売をするときには人々は絶対に時間前に並ぶ(それもすさまじく並ぶ)のは肌感として理解できますが、美術展に、しかもこんな小規模な展示に(私は大好きだが)並ぶのが驚きでした。きっと、同じことを私の地元でやってもきっと閑古鳥だなー。
これが・・・地域差(経済的、学力的、様々を含む環境の差)なんだなぁ・・・

と、考えつつ、サラ・ベルナール展に進みます。

 

一番最初にこの写真を載せて恐縮ですが、最後の恋人だそうで。
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いい体格だね。うっかり惚れてしまうかも。

サラ・ベルナールは舞台に立つ人なので、写真が多いのが印象的です。
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見せたい自分を写真に残すのって、戦略的ですよね。(しかも写真は簡単に複製できるし)
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舞台の姿が残ってるのって、凄い。

ポスター各種
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こういうポスターはミュシャ展系でも何度も見たことがあるけど、ポスターって一点物じゃないから、出典元の違いで微妙に保存状態が違ったりするのね。

にしても、何度見ても、現代の漫画家さんの扉絵みたいだよね・・・
漫画・アニメが日本の文化って、本当にそう思います。
漫画家さんも、書き込むタイプの方って、本当に原画がすごいことになってるし!!

 

装飾品もたくさん出展されていて、しかも舞台での写真もあるし、実際の様子がイメージできてよかったです。
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この飾りが、こんな風になってて。(わー)
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アメリカツアーでのポスター。
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下の部分だけ変更してます。
やっぱり、ツアーって大変だったろうけど、儲かったのね。(一人息子(個人的にバカ息子の類だと思うんだけど)の借金のためにって・・・大変だったね・・・)

純銀製のお道具セット。
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実際に使っていたものですって。(わー)
デコデコしてるのが、それっぽいー。
純銀製なら、きっと毎日磨いているメイド的な方が居たんだろうなぁ。

ティファニー製の銀(と金メッキの銀)製の細工品。
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愛用品だったそうで。
(これも一人息子の借金のかたに友人に買ってもらったんですってよ。本当に、古今東西、有名人の子供っていうのは、本当になんというか、ふがいないというか、親も親だし、全くもう・・・)

演劇やプロデュースの才能のほか、彼女には「モノを創造する」天賦の才があったんでしょうね。

有名女優さんが暇に任せて作った、って言ったら舌がもげそうな、次元が違う作品たちでした。
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有名舞台女優さんが作ったっていうだけで過小評価されそうな作品の数々。(実際そうだったみたいだけど)

そんな、秀でた人が世間から受けがちな(逆に言うと受けてないと事実だと信じられないくらいの)アンチサイドの作品です。
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なんか納得。
アンチの意見があって初めて、サラ・ベルナールが実際の人だと実感できました。すごい人には必ずアンチがいるものですよ。(それがなかったらウソ臭い)

 

なんか、今、普通に使っても素敵なデザインじゃないですか?(すべてルネ・ラリック作)
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このブローチは本気で今年度末の卒業式に使いたいな、と思いましたね(笑)

少しわからなかったのは、展示の最後にアルフォンス・ミュシャの油絵があったこと。

1926年 「巫女」
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今回展示されていたのはこの油絵1点なのですけど。(図録には他にも1917年「女占い師」が載ってたから、入替制なのかな?)

サラ・ベルナールに対する時代の評価とサラ・ベルナール個人が公としての「サラ・ベルナール」の見られ方のテクニックに焦点を当てたのであれば、この作品の展示は違うのでは?と思ってね。
これはミュシャのスラブ叙事詩時代の(正式な時代の括りがわからないけど)絵なので、この展示に必要かなぁ、と。もちろん、ミュシャは大好きなので、思いもかけず観ることができてラッキーではあるけど。

 

あぁ、こういう、素晴らしいものを観ることができる旅行の後にはいつも思うんだけど、帰りたくない・・・(笑)
でも仕方ないから帰らなきゃ。

 

ということで、渋谷駅で、新幹線に乗るために上野駅に行こうとして(荷物は上野駅のコインロッカーに預けてる)切符を買おうとしたら、なんとビックリ、お財布がない。
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思わず、発券機の前で白目。

歩いている途中で落とすわけはない(リュックのチャックは異常なしな)ので、松濤美術館に電話をして、忘れ物をしていないか聞いてみました。そういえば、ソファーで荷物を入れ替えてたんですよね。 

すると、無事に忘れ物として届いているとのこと。
徒歩での往復の時間を考えると、新幹線の出発時刻までなかなかギリギリです。

普段テレビで見ていて「祭りじゃないのに人が多すぎだな」とぼんやり思っていた渋谷のスクランブル交差点を、往復ともに自分が先頭きってガンガン歩くことになるだなんて思いませんでしたよ。

 

おかげさまで、お財布も無事に戻り、お土産の買い足しもできて、駅弁も買えて(ビールは残念ながら買えなかったけど)、荷物もコインロッカーから取り出せて、ギリッギリで新幹線に間に合いました。
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ビールだけが心残りだったけど・・・。
行きは車内販売がなかったので、新幹線に車内販売自体がないのかと思っていましたが、無事に車内販売でビールも買えました。
車内販売でも駅弁は売ってなかったから、それは頑張って買って大正解でした。
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悩んで買った金目鯛西京焼弁当。
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なかなかウマ。
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とりあえず、駅弁とビールは次の駅に到着するまでに済ませてしまいました。(隣に人が座ったら、ごみを捨てるのに気を遣うし)

あぁ、日が暮れる・・・(私の旅も終わりだ・・・)
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また、来年も行けたらいいなぁ
来年は、一体どうなっているのかわからないけど、好きなものは好きのままで、観たり、聞いたり、体験したり、したいなぁと思います。