日々のつれづれ

大切なこともそうじゃないことも、ゴッチャマゼ

美女と野獣(決してディズニーではなく)

美女と野獣、あまり好きではないんですよ。
特に、ディズニーにで取り扱う「美女と野獣」は好きじゃない。
まるで、女だけに相手(男)の醜美を超えろと言わんばかりなのが気にくわない。
ベルが眉唾物の「良い子」なのも嘘くさい。(性生活も絡むというのに!)
野獣の呪いの詳細は知らんけど、結ばれてめでたしっていうのも気にくわない。
「野獣と美男(ハンサム)」系の映画があるなら見てみたい。

だから子供達には見せませんでしたけど。(観てるとは思うけど)

でも、題材は好きなんです。
醜美を超えて相手への愛が発生するのかどうか、人間性に惹かれるのかどうか、あらゆる社会的な不利を越えて結ばれるのかどうか。
弁舌もなく、機知もなく、醜美ではなく、ただ誠実さだけで愛が発生するのかどうか。欲情するのかも含めて、ですが。

ムリでしょ?と思う。
醜美はともかく、一緒にいて話していて楽しくもない相手(知的レベルが違い過ぎる相手)と・・・?
この題材の何がこんなに私を引き付けるのか(、そして、何がこんなに私を反発させるのか)。

興味があるので、オリジナル版を読むことにしました。
一般的に(ディズニーでも)知られている「美女と野獣」は、ジャンヌ=マリー・ルプランス・ド・ボーモン(ボーモン夫人)がオリジナルを要約して教育的エッセンスを加えた「おとぎ話」です。
一般的に映画やアニメ、ミュージカルで原作としているのは、こちらのボーモン夫人の短縮版です。(世界的に有名)

オリジナルは、ガブリエル=シュザンヌ・ド・ヴィルヌーヴ(ウィルヌーヴ夫人)が1740年に刊行したものです。

読んでみると、こっちの方が断然面白い。

ベルの心の機微もよくわかる。
特に、結婚して初めて過ごす夜の夢の中の王子への気持ちが本当に正直。
そして、何故王子は呪われて野獣になってしまったのかも、理由がよくわかる。

っていうか、ボーモン婦人、なぜここまで端折った!?容赦ないな。
6人の兄と6人の姉は小説の中で個々の性格分けがあるわけでもなかったから各3人にしてもいいけど、王子が野獣になった訳や妖精の掟は書かれなかったら状況がふんわり過ぎるよなぁ。
ベルの心の正直な心情(いくら良い人でも弁舌も機知も才気ない野獣と一緒にいてもつまんない)も、教育的なおとぎ話には不適切かもしれないけど、人間として正直な気持ちだし。おまけに、やっと結婚までこぎつけたのに王子のお母さん(女王)に身分違いだといちゃもんを付けられるとか、凄いリアルなのに。
そりゃ、オリジナルはおとぎ話には長すぎるし、架空の「妖精」は出るけど、小説の内容は「おとぎ話」ではなくリアルなお話なのにさ。

どうしてこっちがメインじゃないんだろうな。

ウィルヌーヴ版で誰か映画を作ってくれれば、ぜひ観たいな。
2時間半から3時間でもいいです。(アマデウスばりに)