日々のつれづれ

大切なこともそうじゃないことも、ゴッチャマゼ

2023.5.4 青森を知るバス巡り②(棟方志功記念館)

こちらの続きです。

toukofujinomiya.hatenablog.com

次に向かうのは「棟方志功記念館」です。

棟方志功記念館は2024年3月31日(今年度末)をもって閉館が決まっています。一度も行ったことがなかったので、今回行ってみることにしました。f:id:ToukoFujinomiya:20230504182441j:image
青森市の名誉市民第1号である棟方志功。
彼が郷土に与えた影響は大きく、「世界のムナカタ」「わだばゴッホになる」は耳にタコ。彼が凄過ぎるため、授業の版画は頑張らなくてはいけません。

もうね、お腹いっぱい。
私、版画は好きじゃないし。

だから、棟方志功記念館の隣に青森市民図書館があった時(現在は移転)に、図書館には通っても、記念館には行きませんでした。

munakatashiko-museum.jp

そんな、棟方志功記念館。
f:id:ToukoFujinomiya:20230504182456j:image
小さいですが、お庭は綺麗です。
f:id:ToukoFujinomiya:20230504182523j:image
f:id:ToukoFujinomiya:20230504182433j:image
現在は「REMEMBER~雑華山房主人と鎌倉山~」が春の展示として開催されています。

棟方志功が鎌倉市鎌倉山に構えた、別荘兼アトリエ「雑華山房」での日々を、そこで制作した作品や、穏やかな日常の一場面を切り取った写真などを通して追想するというもの。

初っ端に志功さんがお出迎えです。
f:id:ToukoFujinomiya:20230506101803j:image
「二菩薩釈迦十大弟子」
f:id:ToukoFujinomiya:20230504182446j:image
言わずと知れた、棟方志功の代表作。

「二菩薩釈迦十大弟子」は1955年サンパウロ・ビエンナーレで国際版画大賞を受賞し、棟方志功の代表作と言われていますが、それは二菩薩の板木が戦火で焼失したため彫りなおしたもの。
こちらの作品は、改刻前のものです。(どこが違うのか比較してみたい)

「怒天神の柵」
f:id:ToukoFujinomiya:20230504182443j:image
怨霊となった菅原道真、激おこです。

「花矢の柵」
f:id:ToukoFujinomiya:20230504182459j:image
1961年竣工の青森県庁新庁舎(当時)の正面玄関を飾った作品のモノトーン版。(彩色版は青森県立美術館蔵)

花矢を空の四方に向かって射るというアイヌの祭りをテーマに、鼓や笛を奏でる4人の女性と4頭の馬、太陽を表す八咫烏、月を表す兎を描いている。

女性、好きよね。

「太陽花像図」
f:id:ToukoFujinomiya:20230506101701j:image
あぁ、ゴッホのひまわり、好きだよねぇ
カンヴァスの裏に「ムナカタ シコ」って書いてある。カワイイ。

「雑華堂井戸碗像図」
f:id:ToukoFujinomiya:20230506101606j:image
中央のちびっ子は志功が還暦の年に生まれた2番目のお孫さん。
可愛いお孫さんとお茶するのが幸せだったのね。

「志功三楽屏風」
f:id:ToukoFujinomiya:20230504182512j:image
三楽とは、「故郷青森を想うこと」「家族で茶を嗜むこと」「絵を描くこと」。
それらを6点の倭画にしています。

板画もすごいけど、どちらかというと倭画(絵)の方が好みかも。

「青森頌春夏秋冬の図」
青森放送の月刊誌「あおもりほうそう」の1968年7月~翌年6月までの12ヶ月の表紙絵。青森の12ヶ月を題材にしています。
その中から、私が好きなものを抜粋。

「胸肩妃伸」
f:id:ToukoFujinomiya:20230504182454j:image
え。どういうこと?(題名)
英題が「goddess "MUNAKATA"」なんだけど、しゃれ・・・?(え?笑うとこ?)

棟方の女人崇拝は、ムナカタ姓の起源への想いも関係があるでしょう。
棟方は自らの姓のルーツが九州にあるとします。
福岡県宗像市の宗像大社、この宗像の字は古事記や日本書紀において胸肩と記されます。後に宗形、宗像、牟奈加多などと表記を変え、九州から青森へ入るまでに棟方の字となったことから、棟方は「大きな祖流が、この神社とつながりある事かと何時も胸つまる想ひに手を拍つのだ」(『板愛染』1948)と、南方から北方へと繋がる先祖の血の流れを意識し、誇りにしていました。

冬の展示「胸肩妃」 | 棟方志功記念館

知らなかった・・っていうか、本当に南の人なの?(本人が言うならそうなんだろうけど)
>宗像の字は古事記や日本書紀において胸肩と記されます
古代の人も、当て字過ぎやしないかい?

「十三の砂風歌」
f:id:ToukoFujinomiya:20230504182451j:image
「十三」は「とさ」と読みます。例えば、地名の「十三湊」は「とさみなと」と読みます。

「早春竜飛岬」
f:id:ToukoFujinomiya:20230504182509j:image
ここの眺めの位置、わからないな。
ちょっと確認しに行ってきたい感じ。

「恐山首夏譜本祭」
f:id:ToukoFujinomiya:20230504182520j:image
あー、わかる。こんな感じ。

郷土の作家さんが郷土の風景を描くとき、肌感で「そうそう」って思えるのは幸せですね。

一通り見学しましたが、棟方志功はどうだった?と聞かれると、まだよくわからない部分が多いのですが、昔ほど毛嫌いはしていないし、他に作品があればまた見てみたい気がします。
閉館する冬まであと3回展示が変わるので、興味があります。

彼は板画の神様みたいな人で、あれほどの芸術への熱を受け止められるのは、黒いラインを決めるために何度も彫る板画でなければならないような気がします。(絵画だったら盛り過ぎる、とか?でもそれも好みだろうけど。)

ちなみに、見学前に見るビデオ上映では、志功の言ってることは4割程度しかわかりませんでした。
来館者(主にちびっこ)の声でかき消されるのもあるけど、実際わかりにくいから彼の話す部分だけでも字幕が欲しかったな。

展示にしても、建物自体が狭いので大規模な展示はできないだろうし、小作品ばかりだと志功の魅力が伝えづらい、という残念な部分がある気がします。

f:id:ToukoFujinomiya:20230504182504j:image
記念館の隣にある、昔々は青森市民図書館だった建物。放置状態。
素敵なお庭の隣に、これでは・・

記念館と、この旧図書館をつぶして大きく建て替える、のならありかもしれないけど、このご時世、どこに予算があるのか・・というところでしょうか。
記念館は財団の持ち物だけど、県・市でも建て替え予算の補助は付けないみたいだし、小規模記念館だから実入りはそんなにないだろうし、棟方志功記念館も潰れるのはわかるかも。

残念です。

さて。
そろそろバスの時間が迫っています。
青森駅まで戻ることにしますが、お昼の時間でもあるので、少し手前で降りてお店を探したいと思います。

ちょうどお昼時なので駅前は観光客でなかなか混雑しています。パサージュ広場では誰か女子が歌ってます。観光客が大好きそうなお店は行列ができています。
私は行列が苦手だし、そもそも寿司、刺身、郷土料理とかは食べなくても大丈夫。

ということで、こちらのオムライスにしました。
f:id:ToukoFujinomiya:20230506161617j:image
お店の名前は明かせません。なぜなら、お店の中がカオスだったから。
ここに踏み込んで良かったのか・・・?大丈夫なのかよ・・・と思うようなお店でした。
おまけに、外の看板の日替わりランチ500円で釣っておきながら、店内で「土日祝日は日替わりランチはお休み」って書いていて。詐欺?と思いました。
運がいい(?)ことに、私はオムライスが食べたくて入ったので、そんなに衝撃は受けなかったけどね。
釣られたお客さんが1組後から入ってきましたが、「お肉はダメで・・」というお客さんに、メニューにないものを普通に作ってました。
そのお客さんも、肉がダメで魚が食べたいなら、ここに来ちゃダメな人たちじゃないかな?とも思えます。

様々カオス。面白いものを見ました。

キャベツもモリモリで、ケチャップチキンライスは美味しかったよ。

腹ごしらえも済んだので、次は青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸に行きます。

 

つづきはこちら。

toukofujinomiya.hatenablog.com