日々のつれづれ

大切なこともそうじゃないことも、ゴッチャマゼ

バーレスク(2010 アメリカ)(2019 チェコ)

バーレスク(2010アメリカ)
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Amazon.co.jp: バーレスク(字幕版)を観る | Prime Video

バーレスク・ラウンジ、それはセクシーなダンサーたちがゴージャスなショーを繰り広げる大人のためのエンタテインメントクラブ。片田舎を離れ、アリは歌手になる夢を追いかけて、ロサンゼルスを目指す。テスが経営するクラブで、自分が思い描いていた憧れの世界に出会ったアリは、アルバイトを始める。やがてアリの抜群の歌唱力と突出したダンスの才能が話題となり、クラブは大盛況を極めていくのだが・・・。

あらすじからもわかるように、田舎を飛び出たアリが、たまたま入ったクラブのショーに心を奪われ、この舞台に立ちたいと奮闘する。
このクラブは経営面で多数の問題を抱えており(結局お金だけど)、解決するために奔走する経営者のテスであるが、テスは元々経営の数字よりも舞台・ショーの構成等をメインに考えるタイプなので、経営難に対する解決に向けて具体的に対処することができず、途方に暮れるが・・。
というお話。

そういうお話の筋はあるんだけど、そんなことより、クリスティーナ・アレギラ(アリ)のショーが素敵すぎる。
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そして、圧倒的な存在感のシェール。バーレスク・ラウンジ経営者のテス役。
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なんだろう。この映画って、映画というより、ショーを観てる感じ。ちょっと長いミュージックビデオみたいな。(素敵です)
youtu.be

 

続いては、2019年のチェコの映画「バーレスク」
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Amazon.co.jp: バーレスクを観る | Prime Video

若く、官能的な学校の教師がヌードキャバレーで踊るチャンスを勝ち取る。しかし周囲はそれを全く予期していなかった。

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AmazonPrimeの、このあらすじ紹介はさすがに酷くない?
ということで、勝手にあらすじを紹介してしまいます。
youtu.be (英語字幕ありです。雰囲気を感じ取っていただければ。)

小学校の教師をしているベティ。
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実はダンスが大好き。
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でも、自分の体型がめちゃめちゃコンプレックスで、ダンスが好きだとバレるだなんてありえないし、全然関心ありませんって感じにしています。
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こういうの観てると、周りが凄い攻撃してきます。
学校って、いわゆる「お堅い」社会的環境のトップクラスだしね。

彼女は学校でいじめの現場に立ち会います。
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イラつく言動をしたからと、相手を窓から突き落とすまではしないけどかなりヤバイ距離まで窓から出してしまうスティーブン。
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日ごろから素行が悪いスティーブンを叱ると、彼は教師である自分の体形について攻撃してきます。
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「そんな醜いタイヤみたいな脂肪がなくて俺はラッキーさ」
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(はぁ!?)「5月半ばなのにアムンゼンみたいな格好してるあんたに言われる筋合いなんてないわよ」
※アムンゼン:極地に挑んだ探検家
スティーブンが、初夏にもなろうという時分にいまだにダウンベストを着ているので、揶揄して言っちゃったんですね。
生徒は大喜びしてスティーブンを「アムンゼン」呼ばわりしてしまいます。

急所を突かれると、反撃に出るのは人間の性だと思います・・・相手が子供だとか大人だとか関係なしに。

でも、これはマズかった。

スティーブンは胸部の変形を伴う病気があり、そのことについてコンプレックスを持っていたため、薄着になるのを避け、さらにダウンのベストを着ていたわけです。
生徒の配慮すべき事項については、学校側での共有するべきなのに、ベティは知りませんでした。(どういうことだ)

そしてスティーブンのパパが乗り込んできました。市議会議員で教育委員のパパが。最凶。
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パパはパパなりに、子供を守ろうとしているのが分かります。それがスティーブンに良い影響を与えているかどうかは別として。
スティーブンはパパの最凶の配慮の賜物なのか知りませんが、自分以外の子にかなり攻撃的なので、周りに敬遠されてていて、そのため自分の思うとおりに行かないのでさらにジレンマが募るというループ。

ベティは友人のダンサーであるロッタがバーレスク・レッスンを受講するのに合わせて、自分も受講することになります。
レッスンを受けながらも、自分のコンプレックス(肥満体型)に悩んだりするのですが、自分が自分であることをすべて受け入れて、自己肯定感を徐々に育んでいきます。

その間、ダンスができる体つきになっている気がします。若干、最初より締まったかな。っていうか、そもそも踊れる人だったのね。

それと並行して、なんとか(あの)スティーブンともコミニケションをとり、スティーブンが抱えるコンプレックス(胸の形の変形)を自身が受け入れるように働きかけます。
ここらへん、教師ですね。

でも、スティーブンを勇気づけようと自分の体型をダンスでさらけ出した動画を見せると、隙を見てスティーブンはそれを勝手にSNSにあげて拡散させてしまい、そのために教師を辞めることになってしまいます。

小さなコミュニティでこんなバカげたことをしてしまったと、校長である母親に散々否定されましたが、自分が自分であることを否定したくないと、自ら再就職探しをしますが、自身のバーレスク・ダンスの動画が拡散されてしまい、全くうまくいきません。

ダンスレッスン最終日。自分で努力したものを見せるために舞台で踊ります。
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この選抜で選ばれると、バーレスクのメンバーになる他、テレビ番組にも出られるとのこと。テレビに出られるかどうかは関係なく、今までの努力が認められて欲しいと思うのですが、男性ディレクターが選んだのは自分の友人であるスレンダーなダンサー、ロッタでした。出来レースだったんでしょうね。

どんなに自分が努力しても、どんなにダンスの先生(女性)が「あなたには、胸も、尻もある(ニコリ)」と言ってくれても、一般的に選ばれるのは痩せている女性なんだと落ち込んでしまいます。

しかしテレビ収録の当日、ベティは母親といざこざがあり逃げ場所に選んだダンススタジオで、友人のロッタが泣きながら腹筋をしているところを目撃します。
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あのプロデューサーに「ブタ」と揶揄されたらしい。
必死の腹筋をしても、ズタズタにされた心は元に戻らず。
なんてクソ男なんだ。そんなにマウント取りたいのか。

そこでベティは友人を毛布に包めて慰め、「テレビ局には行きたくない」と泣く彼女の代わりに、勝手に代役として行くことを決めました。

代役としてテレビ番組にでると、どうしても学校でのベティの不祥事(小学校の教師でありながらストリッパーまがいのダンスをしていた動画のSNS拡散事件)が取り上げられてしまいます。
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動画をみんなで見ることに。
そして様々司会者さんから突っ込んで聞かれますが、ベティはユーモアを交えつつ、誠実に答えます。
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太っているベティを選ばなかった男、スレンダーなロッタをブタ呼ばわりした男は苦渋い顔。

司会者「あなたがストリップをすることについての家族の反応は?まさか、ストリップが伝統行事じゃないよね?」
ベティ「もちろん。私は母から教えてもらって、母は祖母から教わり、祖母はその母親から・・」
司会者「あなたの家族は代々ストリップを受け継いできたと!?家族みんなを招待したいな!」
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「もちろん、牛が飛べるようになったらね!」(意訳:牛が飛ぶだなんて不可能なことができるようになったら、の話ね!⇒そんなこと、あるわけないでしょ!)

「牛が飛ぶ」の言い回しは、ベティ家族だけのスラングみたいに話されていますが、この映画の英題が「When cows fly」なので、ちょっと大事だったりします。

司会者との会話の中で、太っている自分が大好きなダンスをすることについて、自分自身をさらけ出すことについて、語ります。

ベティ「恐怖に苛まれて小さく体を丸めてどこかに隠れ続ける。その方がずっと酷い。怖がってばかりだとその人たちのルールの言いなりよ。」
司会者「じゃぁ、今あなたは自分のルールで生きていると?」
ベティ「ええ、始めたばかりですけどね」

最後、「よかったら生中継でダンスを披露していただけますか?」と言われ、見事に踊り切ったベティ。
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その番組を観ていたスティーブンは、ベティにメッセージを送ります。
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「牛が飛んだ!」(できないと思ってたことをやったんだ!)※ここ、テキストについての字幕なかったの。信じられん。必須でしょう!?(翻訳した)

彼は、ベティの伝えたいことを受け止め、前向きに生きることを選んだのだと思います。

最後、途中でテレビを消したお母さんが、実はベティをテレビ局まで迎えに行って、ロッタと一緒に帰っているとこも、良かった。

 

いい映画だったわー。
こちらの映画の方が、「映画」って感じ。
ショーを見るだけなら、アレギラが出てる2010年のバーレスクの方が良いかもしれないけどね。
2010のバーレスク、そんなに洋服を脱いでないけど、あれはバーレスクなのかな?ゴージャスなショーっていうだけでは?という疑問もあり。
歌が良いからいいけどね。