日々のつれづれ

大切なこともそうじゃないことも、ゴッチャマゼ

誰もがそうなる

先日、窓口にご高齢のおばあちゃんがいらっしゃいました。

窓口の担当さんが「こんにちは!(にこやか)」と声がけすると、おばあちゃんは覚束ない様子でカウンターの椅子に座り、おもむろにバックの中から取り出したお財布、通帳や何かの紙などを広げ始めました。(高齢者あるある)

それを見ていた全員(といっても数人だけど)は(何が始まる・・?)と身構え、高齢の方が窓口でよく聞くQ&Aを思い浮かべながら話し始めるのを待ちます。私は窓口に移動して待機。

おばあちゃんは広げた紙(何かの通知やメモ)について説明を始めます。
説明をしながら様々脱線し、自分が入居している施設の3食の時間、そこの食事の味付けがあまり好きではないので近所のスーパーにお買い物に行くこと、通帳の残額や財布に入っている現金がタクシー代の2千幾らを除いて7,000円になったと見せてくれたりしますが、話を聞いてもココに何をしに来たのか具体的にわかりません。

 帰り道が分からなくなったのか・・・?
 施設(住んでるのは施設かな?)か親族に連絡すればいいのか・・・?

と、皆が思い始めましたが、おばぁちゃんが話の中で何度か繰り返したのは、現金が7,000円あること、お墓のお金が1,760円で、4年分を一度に払った話でした。(その他にも結構ループする話はあったけどね)
お墓つながりで、菩提寺?を他の市から青森に移したことや、バスでお墓参りをするときに乗り換えする停留所などを教えてくれましたが、やがて1,760円の話に戻ります。

お墓のお金のことで何か気になるのか?

お墓のお話に水を向けると、何度目かでようやく「前にまとめて払ったと思うけど、年を取ったからいつ払ったか覚えていないし、今ここで払いたい。できればまとめて4年分払いたい。」と話してくれました。

これか。

ちなみに、一括納付は4年ではなくその年の分を含めて5年分で、さらに今は納期が過ぎているので出来ません。そもそも、未納があるのかなぁ?

この時には最初の窓口担当さんは他のお客様の対応に移り、私がメインで話を聞いています。(おばあちゃんに2人で付きっ切りでは他の業務に支障がありますので)

そして、「あなただから言うけど・・・」と切り出され、(何の話が飛び出すか!?)と思いましたら、通帳に毎月記載されている名前は「県庁の人なんだって息子が言ってたの。誰だか知らないけど。」とのこと。

(え?通帳に毎月名前が載ってて入金だか出金だかしてるけど誰だか知らないの?それっていいの?)とは思いましたが、息子さん公認のようなので「あら、そうなんですね」と言うに留めました。他に言いようがないし。

私がおばあちゃんのお話し相手になっている間、同僚におばあちゃんのお墓についてどうなっているのかを確認してもらいました。

おばあちゃんの話がお墓のお金に戻ったタイミングで、今は払う必要がないこと、今後何もしなくても払い忘れはない(口座振替申し込み済みだから)ことを(何度か繰り返しながら)伝えると、安心した様子で「思い切って来てよかった」と言ってくださいました。


安心したのか、私の爪に薄いピンクのマニキュアが塗ってあるのを「かわいい(^-^)」と褒めてくれました。
実際、そんなに大層なもんじゃないけどありがとう、おばぁちゃん。

その後、子供達への相続の話や自分の引越しの話など、かなり具体的な個人情報を様々話した後、財布に残った7,000円があればタクシーで帰れるからよかったと、自称89歳のおばぁちゃんは2時間近くお話して帰っていきました。

ちなみに、おばぁちゃんの本当の年齢は91歳でした。

おばぁちゃんが帰った後、今回の経緯と世間話の概要をメモしておいたので、次に来た時は、続きから話せます。とはいえ、おばぁちゃん自身が話したことを忘れていそうだけどね。

というような高齢者は、実は他に何人かいます(笑)
メモを見返しながら、元気かなぁ?って思います。
もしまた窓口に来たとしても、私のことはほぼ憶えていないのですけどね。

私も、あと2、30年経ったら仲間入りです。
みんな、そうなるんだよね。

将来自分が高齢で困ったときに、誰かが話を聞いてくれて、少しでも解決するなら嬉しいなぁと思いながら、今、お話を聞いています。
少しでもお手伝いできればねぇ・・手伝えないことは多々あるけどさ。